皆さんこんにちは。
今回は顔面麻痺についてお話させて頂きます。

突然眼が閉じにくくなったり、口から水がこぼれるようになったりして発症します。
現在では原因の多くはヘルペスウイルスというウイルス感染という事が分かっております。
その他は外傷性、中耳炎、腫瘍などが原因として挙げられます。

ヘルペスウイルスの中でも①単純へルペスウイルス②水痘帯状疱疹ウイルス(みずぼうそう)が主な原因です。成人の場合、通常小児期に既に感染しており、その後体内に潜伏しております。
疲労やストレスなどで免疫が低下した際にウイルスが再活性して発症します。

自然治癒率は①が約7割ですが、②では約3割と悪くなりますので特に治療が必要です。
②では顔面麻痺以外に耳痛、耳介の発疹、難聴・めまいを生じますが、
麻痺症状のみで区別が付かない場合もあります。

顔面神経にウイルス感染を起こして麻痺を生じますが、発症後数日かけて神経障害が進行します。
早期に治療を開始して、神経障害の進行を抑える事が重要で、発症3日以内の治療が必要です。

主な治療薬はステロイド剤(神経の炎症を抑える)、抗ウイルス薬、ビタミンB12です。
重症(ほとんど又は全く片側の顔面が動かない)でなければ通常半年以内に麻痺が完治しますが、
ご高齢や妊娠中の方、糖尿病などの持病をお持ちの方は治癒率が低下する傾向にあります。