みなさん、こんにちは。
久野耳鼻咽喉科クリニック  院長の久野 裕規です。

今回は小児の中耳炎についてお話します。

小児の中耳炎は主に2つあり、①急性中耳炎と②滲出性(しんしゅつせい)中耳炎です。
①急性中耳炎は主に風邪をきっかけに、鼻やのどの炎症が耳管(耳抜きをした際に開く管で、鼻の奥から鼓膜の奥までつながっております)を経由して鼓膜の奥(鼓膜と鼓膜の奥の空間を含めて「中耳」と呼びます)に炎症を起こて生じます。
通常風邪症状に続いて耳の痛みを生じますが、症状を訴えられない2歳頃までの場合は、耳を気にする・機嫌が悪いなどの症状です。しかし、無症状の事もしばしば見られます。
数日以上風邪症状(特に鼻水)が治らず、特に発熱がある場合は中耳炎の有無をチェックする必要があります。
②滲出性中耳炎は中耳に液体がたまって、次第に難聴になっていく病気です。
原因として耳管の働きが不良であることや、急性中耳炎の繰り返し・不完全治療などがあります。
難聴は比較的軽いものですが、長い間放置しておくと日常生活に支障を来します。
特に子供の場合、聞き返しが多かったり、テレビの音量が大きくなっていたりしたら受診して下さい。
小さなお子さんは急性中耳炎と同様、耳を気にする・機嫌が悪い等の症状です。発熱はありません。

みみだれが出る位の重症の中耳炎でなければ、通常鼓膜の奥の炎症ですので、多少耳の中に外から水が入っても、鼓膜が壁になっているため、余り問題ないと考えますが、最終的には医師の判断に従ってください。