こんにちは、院長の久野です。

今回は嗅覚障害についてお話させて頂きます。
嗅覚障害の主な原因として、①鼻副鼻腔炎によるもの、②感冒後、③頭部外傷後があります。
①は嗅覚障害の約半数を占め、
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)によって鼻腔内が腫れて、
鼻腔上方にある臭いを感じる神経(嗅神経と言います)に臭いが到達せずに嗅覚が低下します。
嗅神経自体、比較的障害が少なく、治療により鼻が通る様になれば、
ほとんどの場合、症状が改善します。
②は嗅覚障害の約2割を占め、感冒が治った後も嗅覚障害が残ります。
ウイルス感染により嗅覚を感じる細胞や神経自体が障害を来しており、
漢方薬などの治療により7割程度の改善します。
③は嗅覚の神経回路自体が冒される為、神経障害が強く、30%程度の改善率に留まります。
その他、近年パーキンソン病やアルツハイマー病などの神経疾患が発症する前に嗅覚障害が出現する事が判明し、発症を予測する事が可能になってきまた。                      
一般の患者さんにとって、頻度の高い①.②をなるべく治す事が必要になってきます。
2週間程度経過しても嗅覚障害が改善しない場合、当初から全く臭いを感じない場合、は受診の上、結果的に半年程度の長期間の治療を要するかも知れませんが、しっかり治療を受けて下さい。